【獣医師が解説】犬に熱があるかも?見分け方と受診の目安とは|さいたま市のパスカル動物病院
埼玉県さいたま市大宮区、北区、見沼区、中央区、浦和区、西区の皆様こんにちは。
さいたま市大宮区のパスカル動物病院です。
「なんだか体が熱い気がする…」
「元気も食欲もないけど、もしかして熱?」
犬の発熱は、病気のサインであることが多く、見逃さないことが大切です。
今回は、犬の熱の見分け方や原因、動物病院に行くべきタイミング、治療と予防について、獣医師の視点からわかりやすくご紹介します。
症状|犬の「熱」はどうやって気づく?
犬は言葉で「熱がある」と伝えることができないため、行動や体調の変化に注目する必要があります。
以下のような症状があるときは、発熱の可能性があります。
- 体が熱い(特に耳・脇・肉球など)
- 元気がない・ぐったりしている
- 食欲が落ちている
- 呼吸が早い、ハァハァしている
- 抱っこや接触を嫌がる
- 下痢や嘔吐などの消化器症状を伴う
※犬の平熱はおおよそ38.0~39.2℃。
39.5℃を超えると「発熱」と考えられます。
原因|犬が熱を出す主な理由
1. 感染症(ウイルス・細菌)
風邪のような軽い感染症から、パルボウイルス・レプトスピラ症など重篤な病気まで、熱は代表的な症状です。
2. 炎症反応
皮膚炎、膀胱炎、子宮蓄膿症など、体のどこかで炎症が起こっているときに発熱します。
3. 熱中症
夏場や高温多湿の環境下では、体温調節がうまくできずに急激に発熱します。命に関わるため、早急な対応が必要です。
4. 腫瘍性疾患(がん)
がんや腫瘍の一部では、慢性的な微熱や急な発熱がみられることもあります。
5. 免疫異常・自己免疫疾患
体の免疫システムが暴走し、炎症を引き起こす病気によっても発熱します。
動物病院に行くべき目安
以下のような場合は、早めの受診をおすすめします。
- 明らかに体が熱い・呼吸が荒い
- 元気や食欲がなく、ぐったりしている
- 発熱とともに下痢・嘔吐・けいれん・震えなどがある
- 鼻水、咳、皮膚の赤み、腫れなど他の症状がある
- 子犬・シニア犬・持病のある犬で体調不良がみられる
家庭用の体温計で直腸温を測定できる場合は、メモをして受診時に伝えると参考になります。
治療方法|犬の熱をどう治す?
発熱はあくまで「症状」です。
治療には原因の特定と対処が必要不可欠です。
- 感染症:抗生物質、抗ウイルス薬、点滴治療
- 炎症や免疫異常:消炎剤、免疫抑制剤
- 熱中症:体温を下げる処置、点滴、入院管理
- 腫瘍性疾患:検査で診断後、外科や内科的治療
※人間用の解熱剤は絶対に与えないでください。
犬にとって中毒を起こす可能性がある薬も含まれます。
パスカル動物病院の治療
当院では、犬の発熱に対し、以下のような診療を行っています。
- 問診・身体検査・血液検査・画像検査を通じて原因を特定
- 症状に応じて点滴治療・入院管理・二次診療施設との連携も対応
- 飼い主様に体温の測り方や自宅での見守りポイントを丁寧にご説明
「なんとなく元気がない」状態でも、小さな変化を見逃さずサポートいたします。
予防方法|犬の熱を防ぐためにできること
- 感染症予防のためのワクチン接種
- 室温や湿度に注意し、熱中症対策を徹底
- ストレスを減らし、免疫力を維持
- 外傷や皮膚病の早期発見・早期治療
- 定期的な健康診断で見えない病気の早期発見
Q&A
- 犬の体温はどうやって測るの?
→直腸にペット用体温計を入れて測定します。難しい場合は、耳・脇・肉球の熱感や様子の変化を参考にしてください。 - 体が熱いけど元気。様子を見て大丈夫?
→軽い興奮や運動直後で体温が一時的に上がることもありますが、数時間しても下がらない場合は受診をおすすめします。 - 自宅でできる熱の下げ方はありますか?
→冷やしすぎず、涼しい環境を整えることが大切です。水分補給も意識しつつ、状態が悪化する前に動物病院へ。
まとめ|犬の発熱は体からのSOS。小さな変化を見逃さないことが大切です
犬の発熱は、感染症や炎症、深刻な病気の初期サインであることもあります。
「なんとなく元気がない」「触ると熱い」そんな時は、迷わずご相談ください。
パスカル動物病院では、早期発見・早期対応を大切にし、
大切な家族であるわんちゃんの健康を守るお手伝いをいたします。