【獣医師が解説】犬の鼻血は危険?突然の出血に隠れた病気とは|さいたま市のパスカル動物病院
【獣医師が解説】犬の鼻血は危険?突然の出血に隠れた病気とは|さいたま市のパスカル動物病院
埼玉県さいたま市大宮区、北区、見沼区、中央区、浦和区、西区の皆様こんにちは。
さいたま市大宮区のパスカル動物病院です。
「気づいたら犬の鼻から血が出ていた」
「くしゃみをしたときに鼻血が混じっていた」
犬の鼻血はそれほど頻繁に見られる症状ではないため、見たときは驚かれる方がほとんどです。
実は、鼻血はさまざまな病気のサインである可能性があり、早めの対応が重要です。
今回は、犬の鼻血の原因や受診の目安、治療方法について、獣医師の視点からわかりやすく解説します。
症状|犬の鼻血に気づくポイント
犬の鼻血は、以下のような形で現れます。
- 鼻からポタポタと出血している
- くしゃみや鼻をこすったあとに血がにじむ
- 片方の鼻からだけ血が出ている
- 血が唾液に混じる、または鼻周辺に血の跡がついている
- 鼻血と一緒に元気・食欲の低下がある
軽度の出血でも、背景に病気があることがあるため注意が必要です。
原因|犬が鼻血を出す主な理由
1. 外傷・異物の混入
鼻に草の種や砂、異物が入った場合や、強くぶつけたときなどに一時的な出血が起きます。
2. 感染症・炎症(鼻炎・副鼻腔炎)
細菌・ウイルス・真菌などによる感染が、鼻粘膜を傷つけて出血させることがあります。
3. 腫瘍(鼻腔内腫瘍)
特に中~高齢犬で、片側の鼻血や鼻づまりが続く場合は鼻の中の腫瘍の可能性もあります。
4. 血液の病気(血小板減少・凝固異常)
血が止まりにくくなる病気があると、小さな傷でも出血が続くことがあります。内科疾患の可能性も。
5. 高血圧や中毒(殺鼠剤など)
中毒によって血液の凝固が阻害されると、鼻血が突然出ることもあります。
動物病院に行くべき目安
以下のような場合は、すぐに動物病院での診察が必要です。
- 出血がなかなか止まらない
- くしゃみや鼻水、顔の腫れを伴う
- 片側だけ繰り返す鼻血が続いている
- 元気がない、呼吸が苦しそう、食欲が落ちている
- 全身のあちこちから出血する(血便、内出血など)
鼻血だけでなく全身症状や他の出血がある場合は緊急性が高い可能性があります。
治療方法|犬の鼻血はどう治す?
原因に応じて、次のような治療が行われます。
- 外傷・異物:止血処置、異物の除去
- 感染症・炎症:抗生物質、消炎剤の投与
- 腫瘍:レントゲン・CT・生検などで診断し、外科手術や放射線治療を検討
- 血液疾患・中毒:血液検査で診断し、輸血・点滴・解毒剤などで対応
症状を一時的に抑えるだけでなく、根本原因を突き止めて治療することが大切です。
パスカル動物病院の治療
当院では、鼻血の症状が見られた際に、以下のような対応を行います。
- 問診・視診・触診で初期評価
- 必要に応じて**血液検査・レントゲン・鼻腔内の画像検査(CT等)**を実施
- 原因に応じて、内科・外科的な治療プランをご提案
- ご不安な点が多い場合も、わかりやすく丁寧にご説明いたします
鼻血は目に見える症状だからこそ、早めの診断・治療が重要です。
予防方法|犬の鼻血を防ぐためにできること
- 散歩中の草むらや異物の多い場所を避ける
- 鼻を強く打たないよう注意する(家具やケージ)
- 室内の空気を清潔に保ち、アレルゲンを減らす
- 健康診断で腫瘍や血液異常を早期発見
- 万一の中毒を防ぐため、殺虫剤・ネズミ駆除薬はペットの手の届かない場所に
Q&A
- 鼻血が1回出ただけなら様子見でも大丈夫?
→一時的なもので自然に止まった場合は様子見でもかまいませんが、2回以上繰り返す場合や他の症状があれば受診をおすすめします。 - 鼻血が片方だけから出ています。なにか意味がありますか?
→片側だけの出血は、腫瘍や異物・片側性の炎症などが疑われます。早めの診察が必要です。 - 鼻血が出ている間に家でできることは?
→頭を高くし、出血側を下にして安静に保つのが基本です。強く触らず、早めにご相談ください。
まとめ|犬の鼻血は「異常のサイン」。小さな変化を見逃さず、早めの相談を
犬の鼻血は、放っておいてよい場合もありますが、重大な病気の前兆であることもあります。
繰り返す、止まらない、他の症状があるときは、迷わず動物病院へ。
パスカル動物病院では、わんちゃんと飼い主様の安心を第一に、丁寧で根拠ある診察と治療を行っています。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。