【獣医師が解説】犬の脱水症状とは?すぐ気づいてほしいサインと対処法|さいたま市のパスカル動物病院
【獣医師が解説】犬の脱水症状とは?すぐ気づいてほしいサインと対処法|さいたま市のパスカル動物病院
埼玉県さいたま市大宮区、北区、見沼区、中央区、浦和区、西区の皆様こんにちは。
さいたま市大宮区のパスカル動物病院です。
「お水をあまり飲んでいない気がする…」
「なんだかぐったりしてる。これって脱水?」
犬の脱水症状は、体調不良の初期サインであり、命に関わる状態に進行する可能性もある重要な症状です。
とくに夏場や病気中の犬は注意が必要です。
今回は、犬の脱水症状の見分け方や原因、応急処置と病院での治療について、獣医師がわかりやすく解説します。
症状|犬の脱水症状に気づくポイント
以下のようなサインが見られたら、体の水分が不足している可能性があります。
- 皮膚をつまんでもすぐに戻らない(皮膚ツルゴール低下)
- 口の中が乾いている、ネバネバしている
- 目が落ちくぼんでいる
- 鼻が乾いている
- 元気がない、ぐったりしている
- ごはんを食べない、嘔吐や下痢をしている
- 心拍数や呼吸数が増えている(重度)
※軽度の脱水でも、早めの対応が重要です。
原因|犬が脱水症状になる主な理由
1. 水分摂取量の不足
高齢犬、持病がある犬、食欲が落ちている犬などで、水を飲む量が少ないことが原因になります。
2. 嘔吐・下痢
胃腸炎などで体外へ水分が出てしまうと、急速に脱水が進みます。
3. 発熱・感染症
発熱時は代謝が高まり、体内の水分が失われやすくなります。
4. 熱中症
高温多湿の環境に長くいることで、体温調節がうまくできず、水分が不足します。命に関わるため緊急対応が必要です。
5. 慢性疾患(腎不全・糖尿病など)
持病がある場合は、尿の量が増えたり、口渇が強くなったりするため、水分バランスが崩れやすくなります。
動物病院に行くべき目安
次のような状態がある場合は、すぐに受診をおすすめします。
- 嘔吐・下痢が続いている
- お水を飲まない状態が半日以上続く
- 皮膚が戻らない・口の中が乾いている
- 元気がない、ぐったりしている
- 発熱や他の病気の症状を伴う
- シニア犬・子犬でいつもと違う様子がある
※脱水のサインは進行するとショック状態に陥ることもあり、軽視できません。
治療方法|犬の脱水症状はどう治す?
脱水の程度や原因によって、治療法は変わります。
- 軽度の脱水:飲水の促進、電解質補給
- 中等度以上:皮下点滴や静脈点滴による水分・電解質補正
- 重度の脱水・ショック状態:入院下での集中的な治療が必要
- **原因疾患(胃腸炎・腎不全・糖尿病など)**の治療も同時に行います
※口から無理に水を飲ませるのは誤嚥の危険があるため、獣医師の指示を仰ぐことが大切です。
パスカル動物病院の対応
当院では、犬の脱水が疑われる場合に、以下のような診察と処置を行っています。
- 視診・触診・体温・皮膚の弾力・口腔内の状態などから脱水の評価
- 血液検査・尿検査を実施し、脱水の程度や原因疾患を確認
- 必要に応じて皮下点滴・静脈点滴を適切に選択し、安全に実施
- ご自宅でできる水分補給の工夫やケア方法も丁寧にご説明
わんちゃんの体調や性格に合わせて、最も安心できる方法をご提案します。
予防方法|犬の脱水を防ぐために
- 新鮮な水をいつでも飲めるようにする(複数箇所に設置)
- 夏場は室内の温度管理・エアコンや扇風機の活用
- シニア犬や病気のある犬は水分を多めに摂れる食事(ウェットフード・スープ)を活用
- 散歩や運動時はこまめに休憩・水分補給を
- 定期的な健康診断で、体調変化に早く気づくことが予防につながります
Q&A
- 皮膚をつまんで戻りにくいと脱水しているの?
→はい、それは**「ツルゴール低下」と呼ばれ、脱水のサイン**のひとつです。耳や背中で確認できます。 - 犬が水を飲みません。どうしたら?
→スープや水分の多いフードに変更したり、氷や味つき水を試すことも有効です。飲まない状態が続く場合は受診を。 - 脱水は自宅で治せますか?
→軽度であれば対処可能ですが、中〜重度は動物病院での点滴治療が必要です。迷ったらまずご相談ください。
まとめ|犬の脱水は命に関わることも。小さなサインに気づいてあげましょう
犬の脱水症状は、「ちょっと元気がないな」という変化から始まり、放置すると重篤な状態に進行することもあります。
早めに気づいて対処することが、わんちゃんの健康を守る第一歩です。
パスカル動物病院では、丁寧な診察とその子に合わせた対応を大切にしています。
「いつもと違うかも」と思ったら、どうぞお気軽にご相談ください。