【獣医師が解説】犬のリンパ腫について|パスカル動物病院
【獣医師が解説】犬のリンパ腫について|パスカル動物病院
埼玉県さいたま市大宮区、北区、見沼区、中央区、浦和区、西区の皆様こんにちは。
さいたま市大宮区のパスカル動物病院です。
犬の「リンパ腫(りんぱしゅ)」は、血液や免疫をつかさどるリンパ球という細胞ががん化して増殖する悪性腫瘍の一種です。
進行が早いタイプもあり、早期に発見して治療を始めることが非常に重要です。
今回は「犬 リンパ腫」について、症状・原因・治療法・予後について獣医師がわかりやすく解説します。
犬のリンパ腫とは?
リンパ腫とは、体内のリンパ組織(リンパ節・脾臓・肝臓・消化管など)にがん細胞ができる病気です。
人の「悪性リンパ腫」と同様に全身性に広がることが特徴で、放置すると命に関わります。
主な症状
- 首・わき・足の付け根などのリンパ節が腫れる
- 元気・食欲の低下
- 体重減少
- 発熱が続く
- 嘔吐・下痢(消化器型リンパ腫)
- 咳や呼吸困難(縦隔型リンパ腫)
リンパ節の腫れは痛みがないことが多く、「気づいたら腫れていた」というケースがよく見られます。
犬のリンパ腫の原因
明確な原因はまだ解明されていませんが、以下の要因が関係していると考えられています。
- 遺伝的要因
- ウイルス感染や環境中の化学物質
- 免疫異常
- 加齢
動物病院に行くべき目安
- 首や体のしこりが大きくなっている
- 食欲・元気がない
- 急に体重が減ってきた
- 咳や呼吸の異常がある
これらの症状が見られた場合は、早急に動物病院で検査を受けましょう。
犬のリンパ腫の検査
- 触診・血液検査:炎症や腫瘍マーカー、貧血・臓器異常の確認
- 細胞診:針で腫れたリンパ節の細胞を採取し、がん細胞の有無を確認
- 画像検査:レントゲン・超音波・CTで転移や臓器の状態を確認
犬のリンパ腫の治療法
主な治療は抗がん剤治療(化学療法)です。進行度や全身状態に応じて治療法を選択します。
- 多剤併用化学療法(CHOP療法など):最も一般的で、寛解(症状が一時的に消える)を目指す治療。
- 単剤治療:高齢犬や副作用が懸念される場合に選択されます。
- ステロイド療法:一時的に腫れを抑えますが、根本治療ではありません。
パスカル動物病院での治療
当院では、腫瘍のタイプ・進行度・体調を考慮し、最適な治療法を提案します。
抗がん剤治療の副作用や生活への影響についても丁寧に説明し、飼い主様と相談しながら治療方針を決定します。
また、必要に応じて腫瘍専門医や高度医療センターとも連携しています。
ご自宅でのサポート
- 毎日の食欲・体重の変化をチェック
- 薬の飲み忘れに注意
- 副作用(下痢・嘔吐・元気消失)を確認し、見られたらすぐに相談
- ストレスを避け、穏やかな生活環境を整える
犬のリンパ腫の予後
治療により数ヶ月〜2年以上の延命が期待できることもあります。
寛解を維持する期間を長くするためにも、早期発見・早期治療が重要です。
よくある質問
Q. リンパ腫は治りますか?
A. 完全な「完治」は難しいですが、治療により長期間の寛解を保てる場合があります。
Q. 抗がん剤の副作用は強いですか?
A. 人と比べると副作用は軽いことが多く、生活の質(QOL)を保ちながら治療できます。
Q. 高齢犬でも治療できますか?
A. 体力や持病の状態に合わせて、無理のない治療法を選択します。
まとめ
犬のリンパ腫は進行が早い悪性腫瘍ですが、早期発見と適切な治療で寿命を延ばすことが可能です。
「首のしこりが気になる」「食欲が落ちた」と感じたら、迷わずパスカル動物病院にご相談ください。
パスカル動物病院|埼玉県さいたま市大宮区
犬・猫・うさぎなどの小動物に対応。地域の皆さまの大切なご家族の健康を守るため、丁寧な診察とわかりやすい説明を心がけています。



