【獣医師が解説】犬の抜け毛が多いのは正常?病気が隠れているサインとは|さいたま市のパスカル動物病院
【獣医師が解説】犬の抜け毛が多いのは正常?病気が隠れているサインとは|さいたま市のパスカル動物病院
埼玉県さいたま市大宮区、北区、見沼区、中央区、浦和区、西区の皆様こんにちは。
さいたま市大宮区のパスカル動物病院です。
「最近、部屋に毛がたくさん落ちていて…」
「ブラッシングしても次々抜けるのは異常?」
犬の抜け毛はある程度は自然なものですが、過剰な抜け毛や局所的な脱毛には注意が必要です。
今回は、犬の抜け毛について、「正常」と「病的」の違いを獣医師がわかりやすく解説し、対処法や病院に行くべき目安をご紹介します。
症状|犬の抜け毛に気づくポイント
- 季節の変わり目に全身の毛が大量に抜ける(換毛期)
- ブラッシングしても次々と抜ける・毛が薄くなる
- 特定の部位だけ毛が抜けている
- 抜けた部分が赤くなっている、フケが多い、かゆがっている
- 皮膚にしこりやカサブタがある
こうした症状があると、単なる生え変わりではない可能性も出てきます。
原因|犬の抜け毛の主な理由
1. 生理的な換毛(正常)
春・秋など季節の変わり目には、アンダーコート(下毛)を大量に脱毛するのが普通です。
柴犬・ゴールデンレトリーバー・ラブラドールなどが特に多く見られます。
2. アレルギー性皮膚炎
食物アレルギーや環境要因(ダニ・花粉など)でかゆみが起き、掻きむしりによる脱毛が見られます。
3. 皮膚感染(膿皮症・真菌・ノミ・ダニなど)
細菌やマラセチアなどの真菌、ノミやダニ感染により、かゆみとともに脱毛・フケ・赤みが現れます。
4. ホルモン異常(内分泌疾患)
甲状腺機能低下症やクッシング症候群では、左右対称の脱毛・フケ・皮膚の黒ずみが起きます。
5. 栄養不良やストレス
偏った食事や強いストレスも、被毛や皮膚の状態を悪化させ、脱毛を引き起こすことがあります。
動物病院に行くべき目安
以下のような場合は、早めの受診をおすすめします。
- 換毛期以外の時期に毛が抜け続けている
- かゆみ・赤み・湿疹・臭いなど皮膚の異常がある
- 部分的・左右対称の脱毛が見られる
- 抜け毛が何週間も続いている
- 元気や食欲が落ちているなど全身症状がある
抜け毛の原因によっては、内科的な治療や皮膚治療が必要になることもあります。
治療方法|犬の抜け毛に対するアプローチ
パスカル動物病院では、以下のような検査と治療を行います。
■ 検査
- 視診・触診・皮膚の状態のチェック
- 皮膚検査(擦過・毛検査・細菌検査・真菌培養)
- 血液検査・ホルモン検査(必要に応じて)
■ 治療
- 感染症:抗生物質・抗真菌薬・ノミダニ駆除薬など
- アレルギー:食事療法、アレルゲン除去、抗アレルギー薬
- ホルモン異常:甲状腺ホルモンや副腎ホルモンの投薬
- スキンケア:薬用シャンプー・保湿ケア・サプリメントの提案
- 栄養指導やストレス対策も、体質改善の一環として行います
パスカル動物病院の対応
当院では、抜け毛の原因を見極めたうえで、根本治療と日常ケアの両方をご提案しています。
- 検査で原因を明確にし、治療の方向性を共有
- おうちでのシャンプーや保湿方法のアドバイス
- 食事やサプリ、生活環境の見直しもサポート
- 再発しにくい体づくりのための予防プランをご提案
予防方法|抜け毛を減らすためにできること
- 週2〜3回のブラッシングで毛をこまめに取り除く
- 被毛や皮膚に合ったシャンプー・保湿ケアを行う
- 定期的なノミ・ダニ予防薬の使用
- バランスの良い食事と皮膚サポート成分の補給(オメガ3脂肪酸など)
- ストレスを減らす運動や安心できる環境の提供
Q&A
- 換毛期でもないのに毛が抜けて心配です。
→換毛期以外の抜け毛には、**皮膚病やホルモン異常が隠れていることがあります。**一度診察を受けましょう。 - 抜け毛と同時にかゆみがあります。
→感染症やアレルギーの可能性が高いです。早めの対処で症状の悪化を防げます。 - 老犬ですが、抜け毛が急に増えました。年齢のせいですか?
→加齢だけでなく、**甲状腺などの病気が関係していることもあります。**血液検査で確認できます。
まとめ|犬の抜け毛は「体からのメッセージ」。違和感があれば、まずご相談を
犬の抜け毛は、季節的なものであれば心配ありませんが、皮膚病や内科疾患のサインであることもあります。
早めに原因を特定し、適切なケアと治療で愛犬の快適な毎日を守ってあげましょう。
パスカル動物病院では、皮膚の専門的な診療と、飼い主様と一緒に考えるやさしいケアを大切にしています。
気になる抜け毛があるときは、お気軽にご相談ください。