【獣医師が解説】犬の白内障とは?見えにくさのサインと治療・予防について|さいたま市のパスカル動物病院
【獣医師が解説】犬の白内障とは?見えにくさのサインと治療・予防について|さいたま市のパスカル動物病院
埼玉県さいたま市大宮区、北区、見沼区、中央区、浦和区、西区の皆様こんにちは。
さいたま市大宮区のパスカル動物病院です。
「最近、目が白く濁ってきた気がする…」
「よく物にぶつかるようになった」
そんな症状がある場合、白内障の可能性があります。
白内障は、犬にとっても視力に大きな影響を与える目の病気です。
早期発見・早期対応によって、進行を防いだり視力を守れる可能性もあります。
今回は、犬の白内障について、原因や見分け方、治療、当院での対応を詳しくご紹介します。
症状|犬の白内障で見られる変化
白内障は、目の中の水晶体が白く濁ることで視力が低下する病気です。以下のような症状が現れます。
- 目の中央(瞳)が白く濁って見える
- 物によくぶつかる・つまずく
- 目が合わない・見えていないような反応
- 動きが鈍くなる
- 片目だけ白くなっている
- まぶしそうにしている、目を細める
※似た症状の「核硬化症」(加齢による透明な白さ)と見分けがつきにくい場合もあります。
原因|犬の白内障が起こる理由
白内障の主な原因には以下があります。
■ 加齢性白内障
高齢犬(7〜8歳以上)に多く見られます。少しずつ水晶体が濁り、視力が低下していきます。
■ 糖尿病性白内障
糖尿病を患っている犬に高確率で発症することがあります。急速に両目に進行するのが特徴です。
■ 遺伝性(若年性)白内障
若い年齢(2〜5歳)で発症することもあります。トイプードル、ミニチュアシュナウザー、柴犬などが好発犬種です。
■ 外傷・炎症・中毒などによるもの
眼球への外傷やぶどう膜炎、薬剤、放射線などの影響で白内障が起こることもあります。
動物病院に行くべき目安
以下のようなサインが見られたら、早めの受診をおすすめします。
- 目が白く濁って見える
- よく物にぶつかるようになった
- 見えにくそうにしている
- 糖尿病と診断されている
- 目の痛み・充血・涙が増えた
白内障が進行すると、視力を失うだけでなく、緑内障など他の疾患を併発するリスクもあります。
治療方法|犬の白内障は治せるの?
■ 進行抑制(初期〜中期)
- 白内障の進行を遅らせる点眼薬(ピレノキシンなど)を使用します
- 糖尿病管理や眼の炎症のケアも重要です
※完治は難しいですが、進行を抑え、視力を維持することが目標です
■ 手術(中期〜重度/視力温存が目的)
- **濁った水晶体を取り除く白内障手術(超音波乳化吸引+眼内レンズ)**が選択肢になります
- 麻酔・入院が必要なため、全身状態や年齢、合併症の有無を慎重に判断します
- 適切なタイミングでの紹介・連携が鍵です
パスカル動物病院の対応
当院では、白内障について以下のような対応を行っています。
- 視診・眼底検査・スリットランプ検査などで状態を確認
- 進行度や視力の残り具合を丁寧に説明し、方針を一緒に検討
- 必要に応じて、眼科専門施設への紹介連携
- 合併症のリスクがないか、全身の健康状態もあわせてチェックします
白内障そのものだけでなく、生活への影響や将来的な不安も一緒に向き合う診療を心がけています。
予防方法|白内障を予防・早期発見するために
- 定期的な健康診断や眼のチェック(年1回以上)
- 糖尿病の早期発見・管理
- 目に異常を感じたらすぐ受診
- UVカット効果のあるサングラスや日除け散歩などもサポートに
Q&A
- 白内障になったらすぐ手術が必要ですか?
→すぐに手術が必要とは限りません。進行状況と生活への影響をみて判断します。点眼や生活環境の工夫で対応する場合もあります。 - 高齢でも手術はできますか?
→全身状態が良好であれば可能です。ただし、**無理に手術を進めることはありません。**まずはしっかり検査を行いましょう。 - 片目だけ白くなっています。様子見で大丈夫?
→片目でも白内障の可能性はあります。視力が残っているうちに診断を受けることが大切です。
まとめ|犬の白内障は「進行する前」に気づくことが何より大切です
犬の白内障は、進行すれば生活の質を大きく左右する病気です。
「目が白いかも?」と気づいた時が、受診のタイミングです。
早期であれば、点眼や生活の工夫で進行を遅らせることも可能です。
パスカル動物病院では、わんちゃんの目と心の健康を守るサポートを丁寧に行っています。
白内障が心配な方は、ぜひ一度ご相談ください。