犬の皮膚病の自宅ケア方法について

皆様、こんにちは。

さいたま市大宮区のパスカル動物病院です。

 

ワンちゃんを飼っていると、皮膚のトラブルに見舞われることが多いですよね。犬はヒトよりも皮膚がデリケートで、ちょっとした刺激が加わるだけでも赤みを帯びたりするものです。今回は、そんな愛犬が皮膚病にかかってしまった場合の自宅ケア方法について詳しく解説します。

 

▼シャンプーで皮膚と毛を清潔に保つ

 

犬が皮膚病にかかった場合は、病院の治療とともに自宅でのスキンケアも並行して行う必要があります。具体的には、適切な方法でシャンプーを行うことで、犬の皮膚の状態を良好に保ちます。

 

◎熱湯は使わない

 

ワンちゃんが皮膚病にかかっているということは、皮膚のバリア機能の低下や炎症反応が認められるため、できるだけ刺激の少ない形でシャンプーすることが大切です。シャンプーに使用するお湯が熱すぎると、皮膚病の症状の悪化を招くこともあるので、私たちがぬるいと感じるくらいの温度に調節しましょう。

 

◎保湿成分配合のシャンプーを使う

 

犬のシャンプーにはいろいろな種類がありますが、皮膚病にかかっているのであれば、保湿成分が配合されており、なおかつ低刺激な製品を選ぶことが大切です。

 

◎シャンプーでゴシゴシ洗わない

 

私たちが普段シャンプーをする時は、皮膚をゴシゴシと洗う習慣がありますが、その調子で皮膚病のワンちゃんにシャンプーすると、摩擦による過剰な刺激を与えてしまいます。事前に泡立てネットなどでしっかり泡立てた状態で、やさしく塗布してあげてください。その後も皮膚をこするのではなく、指で馴染ませる感覚でシャンプーしてあげましょう。

 

◎すすぎは念入りに行う

 

皮膚の状態を気にしてすすぎをしっかり行わないと、シャンプー液が残ってかゆみの原因となります。その結果、ワンちゃんが皮膚を掻いてしまい、症状の悪化を招きますので、すすぎは念入りに行ってください。とくに脇や内股などは洗い残しが多くなりがちです。そうした点も踏まえた上で、5分くらいはかけてしっかりすすぎを行いましょう。

 

◎すすいだらしっかり乾かす

 

時間をかけて念入りに洗ってあげても、シャンプー後のケアが不十分だとかえって症状が悪くなります。とくに自然乾燥は良くありません。基本はタオルドライで皮膚と毛の水分をていねいに吸い取ってあげましょう。ドライヤーを使用する場合は、乾燥のし過ぎにご注意ください。また、ドライヤーを近づけ過ぎると、ワンちゃんの皮膚に大きなダメージが加わるため、少なくとも30cmは離して使ってください。

 

▼ブラッシングを定期的に行う

 

愛犬の皮膚の状態を良好に保つためには、定期的なブラッシングも必須です。獣毛ブラシやウェットブラシなどを使って皮膚に刺激を与えないよう、やさしくブラッシングしてあげてください。普段からブラッシングする際には、以下の点をチェックしておくと、皮膚病の早期発見につながります。

 

・皮膚の赤み

・フケの有無

・ブツブツなどのデキモノの有無

 

ブラッシングは、慣れるまでに時間がかかるワンちゃんも少なくありませんので、いきなり全身をするのではなく、いつも触られている背中などから始めると良いです。子犬の時期にブラッシングを始めると習慣化しやすくなりますよ。

 

▼生活環境を清潔にする

 

犬の皮膚病の多くは、環境中の花粉やハウスダスト、ノミ、ダニ、真菌が関係しています。それらが充満している不衛生な生活環境では、皮膚病の症状を悪化させてしまいますので、日頃から清潔に保つよう努めましょう。お部屋やケージの掃除を小まめに行うと同時に、外から汚れを持ち込まない努力も必要となります。

 

▼まとめ

 

今回は、犬の皮膚病の自宅ケア方法について解説しました。自宅でのケアで最も重要となるのは、やはりシャンプーですね。適切な頻度、方法でシャンプーすることで、ワンちゃんの皮膚病の症状も改善されていきます。逆に、不適切な方法でシャンプーすると皮膚病の症状が悪化することもあるため、飼い主さんは十分にご注意ください。その他、定期的なブラッシングと住環境を清潔に保つことで、皮膚の状態も良くなっていくことでしょう。いずれにせよ皮膚病の症状が現れたらまず動物病院を受診してください。自宅ケアだけで対応しようとはせず、プロフェッショナルケアも併せて受けることが大切です。