愛犬の皮膚に黒いカスが付着!? その正体と原因とは?

皆様、こんにちは。

さいたま市大宮区のパスカル動物病院です。

 

今回は犬の皮膚に付着する黒いカスの正体について解説いたします。

 

愛犬の皮膚に黒いカスが付着していたら不安になりますよね。

普段のブラッシングでは気付かなかったけれど、もしかしたら何かの病気なのでは?と心配されることでしょう。今回はそんな犬の皮膚から黒いカスが出るときの原因や対処法を詳しく解説します。

 

▼犬の皮膚の黒いカスの原因

犬の皮膚に黒いカスが認められた場合は、主に次の3つが原因として考えられます。

 

◎ノミに寄生されている

 

黒いカスが被毛の付け根あたりに見られる場合は、ノミに寄生されている可能性が高いです。

その事実は、黒いカスをティッシュに乗せて、水を数滴垂らすことで確認できます。もしもそれがノミの糞であれば、ティッシュペーパーが赤く染まります。誰でも簡便にできる検査方法なので、皆さんもお試しください。

 

◎皮膚に汚れが付いている

 

犬の皮膚に付着した黒いカスは、単なる汚れである可能性も考えられます。とくに毛穴に詰まった皮脂などが溜まって酸化し、黒いポツポツとした汚れとして認められることがあります。

こうした汚れは皮脂が含まれているため、ノミの糞のように容易に取り除けないことが多いです。

また、上述した方法で検査しても、ティッシュペーパーが赤く染まることはありません。

もちろん、皮膚に付着した汚れとしては、皮脂以外にもさまざまなものが考えられるため、原因が特定できない場合はいつでも当院までご相談ください。

 

◎メラニン色素の沈着

 

犬の皮膚に点在している黒い汚れが実はメラニン色素の沈着であることも考えられます。

ワンちゃんも私たちヒトと同じように、日光を浴びることで日焼けをし、メラニン色素の沈着が生じます。それが黒いカスに見えるのですが、色素沈着はあくまでシミであるため取り除くことはできません。

 

▼犬の皮膚の黒いカスの対処法

 

犬の皮膚の黒いカスの対処法は、原因によって異なります。

 

◎ノミの寄生が原因の場合

 

犬の皮膚の黒いカスがノミの糞である場合は、適切な方法で駆除する必要があります。

ご自宅でやっていただきたいこととしては、飼い主さんによるブラッシングやノミ取りシャンプーの活用、テープなどを使ってノミを1匹1匹捕獲することなどです。

ただし、これらは皮膚上に見られる成虫だけにしか効果が期待できません。被毛内に潜んでいるノミの卵には、動物病院で処方される駆除薬などで対応しなければなりません。

 

ちなみに、ノミの寄生を放置すると、激しいかゆみに悩まされる皮膚炎を発症したり、吸血による貧血症状が認められたりすることもあるため、できるだけ早期に駆除した方が良いといえます。

犬に寄生するノミは、私たち人間も含めたその他の動物にも吸血行為を行うことがあるので十分に注意しましょう。

 

◎皮膚の汚れが原因の場合

 

愛犬の皮膚に付着しているのが皮脂などの汚れであった場合は、ご自宅でのシャンプーなどをしっかり行うと同時に、動物病院でプロフェッショナルケアを受けることが推奨されます。

「マイクロバブル」という微細な泡を発生させる洗浄器具を使って、皮膚の汚れを効率よく洗い流しましょう。

ご自宅でのケアで無理に汚れを落とそうとすると、皮膚の炎症などを引き起こしてしまうこともありますので、まずは専門家に相談することが大切です。

 

◎色素沈着が原因の場合

 

皮膚の汚れがメラニン色素の沈着だった場合は、その背景にある病気や異常についても調べる必要が出てきます。ワンちゃんの場合は、ホルモン分泌の異常や皮膚の炎症の慢性化などでもメラニン色素の沈着が見られることがあるからです。

もちろん、単なる日焼けの可能性もありますが、不安な点がある場合は一度、獣医師に診てもらいましょう。

 

▼まずは獣医師による診察を受けましょう

 

犬の皮膚から黒いカスが出る場合は、上述したような原因が考えられますので、自己判断はせずに獣医師による診断を受けることをおすすめします。

仮に病気や異常がなかったとしても、黒いカスが出ないようなホームケア方法のレクチャーを受けることもできます。具体的な病気や異常が見つかった場合は、早急に治療を始めることが望ましいです。

当院までご相談いただければ、精密に検査した上で最善と言える対処法をご提案いたします。