犬がアレルギーになった時の対処法と自宅ケアについて

皆様、こんにちは。

さいたま市大宮区のパスカル動物病院です。

 

犬は私たちヒトと同じように、いろいろなアレルギーを発症することがあります。その原因はさまざまで対処法もそれぞれで異なるため、飼い主さんはどうしたら良いのか迷ってしまいますよね。そこで今回は犬がアレルギーになった時の対処法と自宅ケアについて詳しく解説します。

 

▼犬のアレルギーの種類

 

犬のアレルギーには、次のような種類があります。

 

◎アトピー性皮膚炎

 

アトピー性皮膚炎は、犬が最もかかりやすいアレルギーの一種であり、花粉やハウスダストマイトといった環境中の物質がアレルゲンとなります。主な症状は「かゆみ」で、生後6ヶ月~3歳以下の若いワンちゃんが発症しやすいです。一度発症すると完治させることは難しく、症状を上手にコントロールしてあげることが重要となります。

 

◎ノミアレルギー性皮膚炎

 

文字通りノミが原因となって発症するアレルギー性皮膚炎です。ワンちゃんが吸血された際、ノミの唾液が体内に入ってアレルギー反応を引き起こします。ノミアレルギー性皮膚炎では、強いかゆみと皮膚の赤みが目立つようになります。

 

◎食物アレルギー

 

食物に含まれる特定の成分がアレルゲンとなり、かゆみなどの症状をもたらします。アレルゲンとしては、乳製品、穀類、鶏肉、牛肉、卵などが挙げられます。

 

▼愛犬がアレルギーになった時の対処法

 

ワンちゃんがアレルギーになったら、次の方法で対処しましょう。

 

◎獣医師に診てもらう

 

犬のアレルギーの正確な診断は、獣医師でなければ下せません。ですから、愛犬にアレルギーの疑いが生じた時点で動物病院を受診しましょう。アレルギー検査を受ければアレルゲンを特定することができるので、自ずと治療法も絞られます。もちろん、精密検査をした結果、アレルギーではないと診断されることもあります。

 

◎生活環境を清潔に保つ

 

多くのアレルギーは、生活環境の衛生状態と深いかかわりがあります。掃除を行わずにほこりなどをため込んでいると、ハウスダストやノミ、ダニなどが発生しやすくなります。花粉のシーズンは、外から帰ってきた際、花粉を室内に持ち込まない努力をすることも大切です。お散歩から帰ってきたら、家に入る前にブラッシングをしたり、飼い主さんも体に付着した汚れを払ったりするだけでも相応の効果が見込めます。

 

◎定期的にシャンプーを行う

 

犬のアレルギーの症状を抑える上では、定期的なシャンプーが有効です。皮膚を清潔に保つことで、アレルゲンとなる物質を取り除けるだけでなく、皮膚のバリア機能も正常に維持しやすくなります。

 

◎ノミ・ダニを駆除する

 

ノミやダニが原因でアレルギーを発症した場合は、それらを定期的に駆除することが大切です。ノミ・ダニの駆除薬としては、おやつと一緒に食べられるものや体に滴下するタイプのものがありますので、愛犬に合ったものを選ぶと良いでしょう。

 

◎アレルゲンとなる食事を避ける

 

当然ではありますが、食物アレルギーを発症した場合はアレルゲンが含まれる食品を避けるようにしましょう。アレルゲンとなった成分を取り除いた「除去食」を与えることで、症状の緩和が期待できます。

 

▼犬のアレルギーは治せる?

 

犬のアレルギーの多くは、完治させることが難しいです。症状が一度、改善しても、環境や体調などが悪くなることで、再びアレルギー反応が生じてしまいます。ですから、愛犬がアレルギーを発症したら、動物病院で治療を受けることは必須となりますが、症状が安定した後も適切な自宅ケアを継続して上手く付き合っていくことが大切です。また、犬のアレルギーは重症化させると深刻な症状に見舞われることもあり、できるだけ早期に治療や対策を行った方が良いといえます。愛犬を観察していて「これってアレルギーかも?」と感じたら、すぐ主人に診てもらいましょう。当院までご連絡いただければ、迅速に対応いたします。

 

▼まとめ

 

今回は、愛犬がアレルギーになった時の対処法と自宅ケアについて解説しました。ワンちゃんは比較的アレルギーを発症しやすいので、飼い主さんは常に気を配ってあげるようにしてください。とくに犬のアレルギーは「皮膚の赤み」「かゆみ」が現れることが多く、客観的にもわかりやすいかと思います。

愛犬のアレルギーでお悩みの方は、いつでも当院にご相談ください。

皮膚科治療を得意とする経験豊富な獣医師が、丁寧に診察を行い、その後のケアまでサポートいたします。