【獣医師が解説】犬の毛が抜けるときに考えられる皮膚病|さいたま市大宮区のパスカル動物病院

【獣医師が解説】犬の毛が抜けるときに考えられる皮膚病|さいたま市大宮区のパスカル動物病院

皆様、こんにちは。
さいたま市大宮区のパスカル動物病院です。

犬の被毛は定期的に抜けていくものですが、本来の換毛期ではない時に過剰な脱毛が見られると飼い主さんは不安に感じますよね。
その背景に犬特有の皮膚病が隠れている場合は、早期治療が必要です。
今回は犬の毛が抜けるときに考えられる皮膚病について詳しく解説します。


犬の毛が抜ける病気とは?

犬の毛が抜ける病気としては、感染症アレルギー性疾患内分泌疾患遺伝性疾患などがあります。

感染症

「膿皮症」「マラセチア皮膚炎」「皮膚糸状菌症」「ニキビダニ症」などがあり、細菌・真菌・ダニなどへの感染で発症します。

アレルギー性疾患

犬種を問わず見られる「食物アレルギー」や「アトピー性皮膚炎」が代表的です。
脱毛に加え、皮膚の赤みなども伴います。

内分泌疾患

「副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)」や「甲状腺機能低下症」があります。
左右対称性の脱毛が特徴で、中高齢犬に多く発生します。

遺伝性疾患

「パターン脱毛症」「黒色被毛形成異常症」「淡色被毛脱毛症」などが有名です。
これらはかゆみや赤みを伴わない脱毛が多いです。
原因不明の「脱毛症X」もあり、特にポメラニアンなどの北欧犬種に多く、頭と足の毛は残る特徴があります。


病院を受診すべき犬の抜け毛とは

  • 地肌が見えるほどの脱毛
  • 左右対称に脱毛している
  • 尻尾の毛が大量に抜けている
  • 皮膚に赤みがある
  • 強いかゆみがある
  • フケが大量に出る
  • 皮膚がベタつき臭いがする
  • 手足がむくんでいる
  • 息切れが増えた
  • 急な体重変化(増減)

これらの症状が脱毛と共に見られる場合は、皮膚病の可能性が高いため、早めの受診をおすすめします。

心配のない脱毛

脱毛が少量で、かゆみや赤みもなく、換毛期に一致している場合は心配いりません。


犬の毛が抜ける皮膚病への対処法

感染症への対処法

病院での治療が第一です。
有効な薬剤で症状を緩和し、再発予防のため清潔な環境と衛生管理を徹底します。

アレルギー性疾患への対処法

アレルゲンを特定し、食事や生活習慣を改善します。

内分泌疾患への対処法

動物病院でホルモン治療などを行い、全身の健康維持を図ります。

遺伝性疾患への対処法

病気によって治療法が異なるため、獣医師に相談して最適な治療を選びます。


まとめ

犬の毛が抜ける原因は多岐にわたり、自己判断は危険です。
愛犬に今回ご紹介したような症状がある場合は、さいたま市大宮区のパスカル動物病院までご相談ください。
適切な検査と治療で、愛犬の健康を守ります。